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2018.06.17.08.23

『ペルレン (Perlen ...)』 by デア・プラン (Der Plan)

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彼等に関しては、記名性のあるレジデンツ (The Residents) と謂う印象がある。
謂うまでもなく、レジデンツ (The Residents) が個々のメンバー名を含めてその一切を居住者 (The Residents) と謂う匿名の許で活動している。それを前提にしての印象である。

だからと謂って、デア・プラン (Der Plan) が、個々の参加メンバーの特性なり資質なりを前面に押し出している。と謂う訳ではない。
彼等の音楽やその音楽を発表する際に準拠しているモノ、解り易く謂えば、ヴィジュアル上で表出しているモノの事だ、それらがなんとなくレジデンツ (The Residents) のそれらと共有され得るモノに思えるのだ。
少なくとも、レジデンツ (The Residents) と謂う存在が、眼球 (Eye Balls) と謂う記号を獲得する以前の、彼等の作品群に関しては、そんな印象が強い。

ただ、その頃のレジデンツ (The Residents) の作品には、悪意とも想えてしまう強い批評精神がそこにあった様に感じられる。後に続くよっつの眼球 (Eye Balls) となった彼等の作品群にも勿論それは介在しているが、眼球 (Eye Balls) と謂う記号はそれを稀釈すると同時に、寓話性を勝ち得た様な気がする。
一言で謂えば、ポップ (Pop) になったのだ。

では、初期のレジデンツ (The Residents) を彷彿とさせるデア・プラン (Der Plan) にも、「悪意とも想えてしまう強い批評精神」があるのかと謂うと、それを断定する根拠は極めて少ない。
批評精神はあり得るのであろうが、悪意がそこに介在しているかどうか、ぼくには少し自信がない。
もしくはこう謂いたい。少なくともぼくにはそれを悪意と解させる土壌がないのだ。

デア・プラン (Der Plan) と謂う存在は、1984年の初来日をもって知った。知ったがその時に彼等を体験したのではない。来日終了後に音楽誌等に掲載された幾つかの記事で、彼等の存在を知ったのである。
彼等のパフォーマンスの記録として写真はみたが、音楽をそこで聴く事は出来ない。
ただ、奇妙奇天烈な彼等の扮装を撮影したそれらは、ぼくには、彼等が音楽集団であるよりも演劇集団の様に、みえた。

レジデンツ (The Residents)が眼球 (Eye Balls) と化したのに比べ、デア・プラン (Der Plan) にはある特定の記号がある訳ではない。
初来日以降、音楽誌等で、そして彼等も属しているとされているノイエ・ドイチェ・ヴェレ (Neue Deutsche Welle) が紹介され特集される度に、デア・プラン (Der Plan) もその一翼を担う存在として紹介され特集されたが、その度に彼等のヴィジュアルは異なるモノだ。
しかし、毎回違うそのヴィジュアルにも関わらずに、いつみてもどこでみても、彼等が彼等であると謂うのは一眼で解ってしまうのだ。
それは個々のメンバーの顔や表情が抜きん出て印象が強いからではない。
デア・プラン (Der Plan) がデア・プラン (Der Plan) である、デア・プラン (Der Plan) とはデア・プラン (Der Plan) そのものである。そんな強い主張が、毎回異なる彼等の写真群から伝わってしまうのである。
それは児戯にも稚戯にもみえる、子供騙しの稚拙な振る舞いだ。
そしてそれを支えるのは、書き割り (Backcloth) やはりぼて (Pinata) といった幼稚な舞台装置なのである。

[例えば、映画『カリガリ博士 (Das Cabinet des Dr. Caligari)』 [ローベルト・ヴィーネ (Robert Wiene) 1920年制作] にみられる、その不安定で不定形な空間は、書き割り (Backcloth) やはりぼて (Pinata) で構成されているからではあるが、デア・プラン (Der Plan) のそれらからは決してその様な方向へとは向かわない。]

そんな演出はぼくにとっては、レジデンツ (The Residents) の眼球 (Eye Balls) とは別の意味でのポップ (Pop) を獲得している様に想えるのだが、実際はどうなのだろう。
つまり、そこになんらかの悪意は存在していないのだろうかと謂う疑義なのである。
彼等の批評の矢面にたたされるヒトビトにとっては、もしかしたらそれらは、極めて切っ先の鋭い矛先となっているのではないだろうか。そんな気がしないでもないのだ。

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本作品は1988年に発表された彼等初のベスト盤でもしかしたら彼等にとっての初のCDである。
今は亡きウェイヴ (Wave) より国内発売されて、ぼくが所有しているのもその盤である。
ウェイヴ (Wave) 盤は、まるで最先端をいくテクノ・ユニット (Techno Unit) の様な風貌の彼等3人の胸像 (Bust Shot) だが、独盤は上にある様に、観光者然とした佇まいで、ブランデンブルク門 (Brandenburger Tor) とおもわしき門前にたつ3人の写真である。デュッセルドルフ (Dusseldorf) 出身の彼等は、あたかも自身をお上りさん (Bumpkin) として演出しているのだ。まだ、ベルリン (Berlin) はその壁 (Berliner Mauer) が健在だった時代である。
だから、アルバム・タイトルはベルリン (Berlin) を捩ったモノなのかと思いきや、珠玉 (Perlen) と謂う意味、つまり文字通りの名曲集と謂う事になる。

ものづくし (click in the world!) 188. :
『ペルレン (Perlen ...)』 by デア・プラン (Der Plan)


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ペルレン (Perlen ...)』 by デア・プラン (Der Plan)

これぞ独逸音楽!
80年代ドイツの最重要バンド、デア・プランの珠玉の名曲集。

1. 六本木ブルース Roppongi Blues 1'42
2. 危険な道化師たち Gefahrliche Clowns 2'35
3. アルテ・ピッツァ Alte Pizza 2'30
4. グリッツァーグライター Glitzergleiter 3'07
5. ハンスとガービ Hans und Gabi 2'45
6. フリッシュ・フェアリープト Frisch verliebt 2'40
7. 前方に信号あり Da vorne steht ne Ampel 2'33
8. グミツイスト Gummitwist 4'36
9. 陽がしぼむころ Wenn der Sonne ist verbluht ... 2'11
10. 憧れの松明 Fackel der Sehnsucht 2'30
11. ブライプ・ゴルト! Bleib Gold! 2'21
12. オルム1 Olm 1 1'15
13. コム・ツリュック! Komm zuruck! 3'31
14. ヨーロッパ讃歌 Europa-Hymne 4'11
15. 世界はひどい Die Welt ist schlecht 1'25
16. バイバイ Bye Bye 2'31
17. ケルンをご存知? [うんにゃ、わしの嫁は海じゃ] Komm zuruck! 3:03
18. ドゥー・ドゥー・ビスト Du Du bist 3'16
19. 裏金のお話 Die Welt ist schlecht 2'32
20. 7年ごとに Alle sieben Jahre 3'18
21. スペース・ボブ Space Bob 3'01
22. 君が留守のとき Wenn Du nicht zuhause bist 3'55
23. 選手が一人、ボールが1個 1 Mann, 1 Bal 2'51
24. 大気に帰れ Zuruck in die Atmosphare 2'23

Text & Musik : Dahlke Fenstermacher Reichelt
ausser except "Alle sieben Jahre" - Text : Kirberg Fenstermacher
Published by Ata Tak - Wintrup-Musikverlag
Fotos : Che Seibert, Ulli Maier, ar/gee Gleim, Rainer Corsten
Ein Produckt aus Hause Ata Tak
(P) 1988 Ata Tak
WAVE EVA 2007
Released under license from Ata Tak
Made & printed in Japan

ぼくの所有している国内盤CDには、無署名のオリジナル・ライナーノーツとその邦訳、歌詞及び対訳、ディスコグラフィー、そして明石政紀 (Masanori Akashi) による『デア・プランの横顔 (Profile Of Der Plan)』が掲載されている。
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