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2018.06.15.08.38

You Already Take Me There

まちあわせ場所は、いつもそのみせだった。
だがそいつがそこにあらわれることはけっしてない。

あるときは、なじみの店員からことづけられる。
あるときは、そこの電話からよびだされる。
共通の知人に伝言がたくされる場合もある
そして、あらためておれがむかうべき場所をしらされる。

そんなゲームが通用したのはとっくのむかしだ。
おれに直接メッセージをつたえる方法はいくらでもあるからな。
しかも、時代おくれのおあそびにつきあうほど、ひまな御仁はもういない。

メモをてにした店員があらわれれば、そいつに今夜ののみしろをやつのつけにすることもできた。
伝書鳩役の知人とやらを、おれだけのおんなにすることもできた。

むかしばなしをしてもしかたがない。

いまや、端末でなにもかも処理できてしまう時代だ。
わざわざそいつにあう必要すらもない。

だから、いくら検索しても、あのみせはもうでてこない。
そこの常連のだれもがみな、そいつとおれのようなやつだったってわけなのだ。

[the text inspired from the song "You Already Take Me There" from the album "Learning To Breathe" by Switchfoot]


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