2017.01.13.10.19

Blue (Da Ba Dee)

監督がわかいその俳優に演技をつけていた。
一挙手一投足、よくあるはなしだよな。

あるく歩幅やうでのふり、そんなところまでだ。

画面上手から登場した彼がてにしているのは一杯のバケツ。そこには並々と青い液体がはいっている。その顔はあおざめ、精魂尽き果てたという表情だ。
腕がぶるぶるとふるえ、ひたいににじむあせをひとぬぐいして、その場にしゃがみこむ。
そして、バケツの中身を一瞥したのちに、その中身をあたまからかぶってしまう。あたまのてっぺんからしりのしたまでまっさおだ。
そうして、あらい息をいくつもついた後に、煙草をくわえ火をつける。

そんなシーンだ。

いまはリハーサルだから、バケツの中身はもぬけのからだ。
でもその結果、彼が演ずるべき人物の、消耗した感じがうまくでない。彼にとってバケツはとてもおもいものでなければならないのだが、それがうまくえんじきれていない。
何度やっても、だ。
むしろ、監督が駄目だしするたびに、彼の目論見からとおくなってしまう。

通常ならば、NGを連発する結果、その俳優の精神状態が演ずる人物とおなじような位置においこまれるはずなのだが、うまくいかない。
彼のきもがすわりすぎているのか、それとも、たんなるのうなしなのか、馬鹿のひとつおぼえをくりかえすばかりだ。

そうするとどうすべきなのか。
からのバケツを本番とおなじにするのさ。だれもがかんがえるように。

そして自身の演出に熱中するあまりに、監督みずからがバケツをひっかぶってしまうというのは、だれもがかんがえることだろう。

問題はそのさきだ。

ひっかぶったそののちの煙草で彼は大火傷を負うのさ。
なにかのてちがいで、その液体は可燃性の薬品が混淆していたらしい。

[the text inspired from the song "Blue (Da Ba Dee)" from the album "Europop" by Eiffel 65]


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