2016.08.12.11.25

Funhouse

そのいえからもれきこえるのはいつも、わらいごえだった。

たからかにひびくそのこえは、そのいえのひとりむすめのものだ。
父と母とくらしている。
そのこえに、だれもがいやされてほほえみをうかべ、そして、そのこえにこいするものもいた。

だが、だれも彼女をめとることはできなかった。
父と母の、厳格なおしえがそれをみとめなかったのだ。

地位も金も名誉も通用しなかった。
その家をおとなうものはそのままてぶらでかえっていった。

一方のむすめはどうだったのだろう。
彼女のわらいごえがとだえることはない。きっと父からも母からもなにもおそわっていないのだろう。

そうして、もう何年もすぎた。
いまや彼女にこいするものも、彼女をめとろうとするものもいない。
婚期はとうにすぎ、もとめればこれまでとはぎゃくに法外な持参金を要求されるだけだろう。

しばらくして、父もしんだ。
あとをおうように、母もしんだ。

彼女はひとりっきりだ。

それでもほがらかなわらいごえがひびくのだ。
そして、そのこえをだれもがおそれる。

[the text inspired from the song "Funhouse" from the album "Funhouse" by Pink]

images
the single for the song "Funhouse" by Pink

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