2016.05.17.11.08

せいぎのみかた

竹熊健太郎 (Kentaro Takekuma) のここでの記述によれば、正義の味方 (A Knight In Shining Armor) と謂う形容句は、川内康範 (Kohan Kawauchi) によるもので、その初出は、TV番組『月光仮面 (Moonlight Mask)』[原作:川内康範 (Kohan Kawauchi) 19581959KRT [現TBS]系列放映] の主題歌『月光仮面は誰でしょう (Who Is Moonlight Mask)』 [作詞:川内康範 (Kohan Kawauchi) 作曲:小川寛興 (Hirooki Ogawa) 歌唱:近藤よし子 (Yoshiko Kondo)・小鳩くるみ会 (Kobato Kurumi Chor)] だと謂う。

♪どこの誰かは 知らないけれど / 誰もがみんな 知っている / 月光仮面の おじさんは / 正義の味方よ 善い人よ♪
[歌詞はこちらから]

この歌詞は後に、その番組がアニメ化されたTV番組『正義を愛する者 月光仮面 (Capitan Centella)』 [原作:川内康範 (Kohan Kawauchi) 1972日本テレビ系列放映] では、三沢郷 (Go MIsawa) の作曲編曲ヴァージョン『月光仮面 (Capitan Centella)』 [作詞:川内康範 (Kohan Kawauchi) 作曲:三沢郷 (Go MIsawa) 歌唱:ボニー・ジャックス ( Bonny Jacks)・ひばり児童合唱団 (Hibari Children Chorus)] に差し替えられて起用されていて、ぼく自身としてはこちらの方が馴染んでいる。
但し、オリジナルのTV番組『月光仮面 (Moonlight Mask)』[原作:川内康範 (Kohan Kawauchi) 19581959KRT [現TBS]系列放映] についてはその存在もその主題歌も既に、いろいろなところで観たり聴いたりしていたから、当時もそして今も、どちらのヴァージョンでも歌う事が可能だ。
恐らく、この頃からオリジナル楽曲とカヴァー楽曲の差異や同質性について学んでいたのかもしれない。

ビートルズ (The Beatles) の『プリーズ・ミスター・ポストマン (Please Mr. Postman)』 [アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ (With The Beatles)』 [1963年発表] 収録] とカーペンターズ (Carpenters) の『プリーズ・ミスター・ポストマン (Please Mr. Postman)』 [アルバム『緑の地平線~ホライゾン (Horizon)』 [1974年発表] 収録] と、それぞれのオリジナルであるマーヴェレッツ (The Marvelettes) の『プリーズ・ミスター・ポストマン (Please Mr. Postman)』 [アルバム『プリーズ・ミスター・ポストマン (Please Mr. Postman)』 [1961年発表] 収録] を聴き比べる数年も前の話だ。

と、謂う様な事は、あくまでも余談であって、本題は件名に表示してある様に、正義の味方 (A Knight In Shining Armor) だ。

正義の味方 (A Knight In Shining Armor) が、川内康範 (Kohan Kawauchi) 発案の、彼による造語である、と謂う主張を殊更に検証する必要は必ずしもないのだけれども、彼がその言葉を産み出す動機、乃至は、その語句の解釈に関しては悩むところが、多々あるのだ。

それを大雑把に翻訳すると、人間即ち、虚構の世界に登場するヒーロー (Hiro) は正義 (Justis) そのものになる事は出来ない、正義 (Justis) とは神仏 [の様な存在] なのである、となるだろう。

ここでの記述での竹熊健太郎 (Kentaro Takekuma) はそれをそのまま肯定して受け入れているのだけれども、本来ならばそこからさらに突っ込んだ話を聴き出すべきところではないだろうか。
と、謂うのは、そこで語られている正義 (Justice) が、ぼく自身の中にある正義 (Justis) の概念と謂うモノと相当の隔たりを感じているからなのである。

大学入学当初、法学 (Jurisprudence) の概念論の入口の入口で、こんな説明を聴いた記憶がある。
真善美 (Goodness, Truth And Beauty) と謂う絶対的な概念に対し、正義 (Justis) は相対的なモノだ。
本来ならば、その出典を明記すべきところなのだが、流石にそれを記述していた教科書は今のぼくの手許にはない。

個人的には、真善美 (Goodness, Truth And Beauty) すらも絶対的なモノなのか否かと謂う議論を巻き起こしたいところだけれども、そこまで立ち入る必要もない。
例えば、民法 (Civil Law) と刑法 (Criminal Law)、それぞれに於ける正義 (Justis) [もしくはそれに相当する準拠すべき立場] の概念は甚だ遠い隔たりがあるからなのだ。
法律 (Law) の数だけ正義 (Justis) はある、と謂うつもりはさらさらないが、少なくとも、公法 (Public Law) と私法 (Private Law) の間には、正義 (Justis) と呼ぶべきモノは全くもって違う様に思えて仕方がない。

と謂う様な個人的な体感を前提にすれば、川内康範 (Kohan Kawauchi) の"正義感 (Thinking Abput Justis)"は受け入れがたい。それとも、彼が説くところの正義 (Justis) と法学 (Jurisprudence) で謂う正義 (Justis) とは全く異なる概念なのだろうか。

いやいや、そんなに高尚な議論、哲学的な議論に耽る必要もないのだ。

例えば、川内康範 (Kohan Kawauchi) が創造した幾人ものヒーロー (Hiro) 像と、真っ向から対立する様なヒーロー (Hiro) 像を呈示して、正義 (Justis) とは何か、正義の味方 (A Knight In Shining Armor) とは何かと問うていけばいい。

竹熊健太郎 (Kentaro Takekuma) はそれが出来る時にそれをしなかった。
例えば、石ノ森章太郎 (Shotaro Ishinomori) 創造のヒーロー達 (Hiroes) へのコメントを川内康範 (Kohan Kawauchi) に求めても良かったのだ。

石ノ森章太郎 (Shotaro Ishinomori) 創造のヒーロー達 (Hiroes) は、正義の味方 (A Knight In Shining Armor) であろうとする前に、一介の人間であろうとする。それは恐らく、川内康範 (Kohan Kawauchi) が追求したモノと全く逆のベクトルではないだろうか、とぼくは思うのだ。

images
上掲はその代表格、人造人間 (Robot) であるのにも関わらず、内蔵された未完成の良心回路 (Gemini System) の存在故に、常に二心の間で揺らぎ続けるジローことキカイダー (Kikaider aka Jiro) [マンガ『人造人間キカイダー (Android Kikaider)』 [作:石ノ森章太郎 (Shotaro Ishinomori) 19721974週刊少年サンデー連載] 登場] その誕生のシーンである [掲載画像はこちらから]。

次回は「」。

附記:
正義の味方 (A Knight In Shining Armor) の英訳は、その言葉が指し示しているモノを考えれば、単純にヒーロー (HIro) でも良いのだろうけれども、今度は逆にヒーロー (HIro) を日本語に再解釈してみれば、木村拓也 (Takuya Kimura) 演じる久利生公平 (Kohei Kuryu) [TV番組『ヒーロー (Hero)』 [2001フジテレビ系列放映] 登場] もヒーロー (HIro) 即ち正義の味方 (A Knight In Shining Armor) になってしまう。
それのどこが悪いのだと謂うきみの抗議も解らない訳ではないのだけれどもそれに対して解答する必要もないよね [笑]。ここでの記述をもう一度おさらいをする様に。
だから、ここでは川内康範 (Kohan Kawauchi) の唱える説を考慮して光の鎧の騎士 (a knight in shining armor) を正義の味方 (A Knight In Shining Armor) の訳語としてみた。このやや時代がかった呼称が英和辞典 (English-Japanese Dictionary) 的な意味での、正義の味方 (A Knight In Shining Armor) なのである。
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