2016.01.26.12.28

りふと

と、謂う同音異義語は多々あるのだが、ここで謂うリフトとは、今のこの季節、スキー場 (Ski Resorts) で活躍するチェアリフト (Chairlift) の事である。

と、綴ってはみたモノのぼく自身はそのスポーツをこれまで体験した事がないのだから、今のこの季節のそれとそれの活躍そしてそれに関わるエピソードを語る事は出来ない。
ぼくが知っている、体験した事のあるリフトは総て、幼少期の体験に関わるモノで、しかも、そのリフトは総て、現在では存在していない。

これから先はただ、単純に旧い昔話を綴る様なモノである。
今回綴るのは、そんな馴染みのリフトのうちのそのひとつだ。

狭い市街地に突き刺さる様に、その山はある。
そこにかつてリフトがあった。

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それが廃止されたのはある豪雨が原因であって、その豪雨はマンガ『ちびまる子ちゃん (Chibi Maruko-chan)』 [作:さくらももこ (Momoko Sakura) 19861996りぼん連載] にも登場する [掲載画像はこちら] が、リフトに関するエピソードは登場しない。このマンガの主人公は、リフトのある山の隣りの街に暮らしていたからだ。

親や親戚に連れられて何度かリフトに乗った経験はあるのだろう。
だけれども、ぼくの記憶にあるそれはいつも真っ暗なのだ。
深い闇の中に、リフトの駅がぽっかりと、まるで演劇のステージでそこだけスポットライトがあったっている様に浮かび上がる。そこに、保護者に引率されたぼくがリフトに乗るのだ。

いくつもの色々に塗り分けられたプラスチック製の椅子がくるくるくると円弧を描いている。頭の上には大きな車輪があって太いロープがその車輪に送り迎えられそして送り出されてゆく。
カラフルな可愛い椅子との落差が激しい。
無骨な大きな車輪とロープはまるで、昨夜観た怪獣映画の主人公の様だ。でっかいでっかい身体に似合わず、彼が愛でているのは可憐な花々なのだった。

そして、椅子が果てのない円舞を舞うその中に、ぼく達が割り込むのだ。彼等の行手を遮って、お尻をちょこんと彼等に向ければいい。嫌でも、座らされる。
そうして真っ暗な山肌を舐める様に、ぼく達は登っていく。

周りをみれば、さっきまでそこにいたぼく達の街の夜景を楽しめたのかもしれない。
でも、ぼくがみていたのはずっと、椅子の上にぷかりと浮かんだぼくの足許だ。
黒い闇の中にほんのりと網目模様が浮かぶ。危険防止の金網にちがいない。空中に浮かんだ両脚を交互に揺らすとまるで、ぼく自身が金網を蹴って、椅子を前に進めている様にもみえる。
太い橋脚が定期的に立ちはだかり、それを越すたびに身体が上下する。
もしも今、ぼくがここから飛び降りれば、アクション映画の主人公の様な大立ち回りをする筈だ。

そんな空想に耽っていると、あっという間にもう、降りる時間だ。

多分、この時に保護者の誰かがぼくに吹き込んだのだろう。脚が地に着いた瞬間にぼくはまっすぐに駆けだすのだ。急いで降りないとそのままたったひとりで夜の闇を下ってしまい、そこでも降りられなければ、さっきと同じ様にまた上る。
そうしてぼくはリフトの上で一生を終えるのである。

こんな妄想がどこまで実体験に裏付けられているのか、よく解からない。
夜にその山をみあげれば、リフトのある場所だけあかあかとななめの稜線を描いていたから、夜間の営業もあったのだろう。
その山のふもとには神社があって、年に何度か縁日が催されており、花火見物も兼ねてよく連れ出された。その際の記憶なのかもしれない。

ただ、ぼくが不思議に思うのは、そのリフトに関し、昼間の記憶が一切ないと謂う事なのである。

次回は「」。

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