2015.12.22.14.03

のびのびたのつま

野比のび太 (Nobita Nobi) が初めて自身の玄孫 (Great2-Grandchild) セワシ (Sewashi Nobi) に出逢った際、彼が連れたきたロボット (Robot) が、ドラえもん (Doraemon) でない場合を想像してみる。
22世紀の猫型ロボット (A Blue Robotic Cat From The 22nd Century) ではなくて、例えばサイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800タイプB (Cyberdyne Systems Model 101 Series 800 Version 2.4) [演:アーノルド・シュワルツェネッガー (Arnold Schwarzenegger)] であったならばどうなのか、と謂う様な想像である。

その場合、セワシ (Sewashi Nobi) の意図は明白だ。現在 [と謂うのは彼の視点でのモノだから22世紀 (The 22nd Century) の事だ] の野比家 [The Nobi Famiry] の窮状の打開策として、その元凶を打破する為に、彼が行うべきはただひとつの事になる。

だがしかし、それは自身の高祖父 (Great2-grandfather) に当たる野比のび太 (Nobita Nobi) の暗殺、ではない。

それでは、サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800タイプB (Cyberdyne Systems Model 101 Series 800 Version 2.4) [演:アーノルド・シュワルツェネッガー (Arnold Schwarzenegger)] が活躍する『ターミネーター・シリーズ (The Terminator Series)』の正しいパロディ (Parody) にはならない。
いいかい。サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800タイプB (Cyberdyne Systems Model 101 Series 800 Version 2.4) [演:アーノルド・シュワルツェネッガー (Arnold Schwarzenegger)] はジョン・コナー (John Connor) [演:エドワード・ファーロング (Edward Furlong)] を暗殺しにきたのではない。彼の母親、つまりサラ・コナー (Sarah Connor) [演:リンダ・ハミルトン (Linda Hamilton)] 暗殺の為に派遣されたのだ。

だから、この場合のセワシ (Sewashi Nobi) が連れてきたロボット (Robot) の目的は、野比のび太 (Nobita Nobi) の、未来の妻 (Wife) の暗殺である。

では、その妻 (Wife) とは誰か。

先走る妄想を一旦、ここで停止して原典であるマンガ作品に戻ろう。
セワシ (Sewashi Nobi) が持参した野比のび太 (Nobita Nobi) の結婚写真に写っていたのは、ジャイ子 (Jaiko Gouda)、つまりジャイアンこと剛田武 (Takeshi Gouda aka Gian) の妹である。

セワシ (Sewashi Nobi) が連れてきたドラえもん (Doraemon) の任務のひとつは、野比のび太 (Nobita Nobi) とジャイ子 (Jaiko Gouda) の結婚の阻止であると同時に、野比のび太 (Nobita Nobi) の初恋のひとである源静香 (Shizuka Minamoto) との恋愛の成就にある。

だがここで物語をそおゆう所謂、歴史改変の物語 (Alternate History) として看做すのであるのならば、サイエンス・フィクション (Science Fiction) の古典的な課題である、親殺しのパラドックス (Grandfather Paradox) にもパラレル・ワールド (Parallel Universe) にも言及せざるを得ない。
野比のび太 (Nobita Nobi) とジャイ子 (Jaiko Gouda) の結婚がなければ、そのふたりの子孫であるセワシ (Sewashi Nobi) の存在自体が危ういモノになるからだ。

「たとえば、きみが大阪へ行くとする。いろんな乗りものや道すじがある。だけど、どれを選んでも、方角さえ正しければ大阪へ着けるんだ」(こちらを参照の事)

と、原作のマンガ作品では、セワシ (Sewashi Nobi) 自身の説明として、たったのヒトコマでこの問題を一蹴しているが、事はそう単純な話ではない事は、サイエンス・フィクション (Science Fiction) のファンならばすぐに理解できる事だ。

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そうではない方々に向けては、レイ・ブラッドベリ (Ray Bradbury) の短編小説『サウンド・オブ・サンダー [雷のような音] (A Sound Of Thunder)』 [短編集『太陽の黄金の林檎 (The Golden Apples Of The Sun)』所収 1952年発表] を挙げておこう。後に映画『サウンド・オブ・サンダー (A Sound Of Thunder)』 [ピーター・ハイアムズ (Peter Hyams) 監督作品 2005年制作] の原作ともなった。その作品ではたったひとつの過ち、ごく些細な歴史改変 (Alternate History)が後の未来を180度とも謂える異世界へと変貌させてしまうのだ。
[掲載画像はこちら、その挿画のひとつ。画:ウィリアム・スタウト (William Stout)]

だが、この拙稿は親殺しのパラドックス (Grandfather Paradox) を考える為のモノでもなければ、パラレル・ワールド (Parallel Universe) の問題を考える為のモノではない。ここから先へは、踏み込まない。
踏み込むつもりがあるのならばなにも、セワシ (Sewashi Nobi) にサイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800タイプB (Cyberdyne Systems Model 101 Series 800 Version 2.4) [演:アーノルド・シュワルツェネッガー (Arnold Schwarzenegger)] を連れてこさせるような妄想はしない。余計に話をややこしくさせるだけではないか。

そうではなくて、妻 (Wife) の話。さもなければ高祖母 (Great2-grandmother) の話だ。

マンガ作品の第1話で想定されているそれ、つまり妻 (Wife) であり高祖母 (Great2-grandmother) であるジャイ子 (Jaiko Gouda) は単純に、ジャイアンこと剛田武 (Takeshi Gouda aka Gian) の妹版だ。つまり、性格にしろ行動にしろ、ジャイアンこと剛田武 (Takeshi Gouda aka Gian) を若年齢にしたか、さもなければ女性にした様な存在だ。

だけれども、連載が続くに従って、ジャイ子 (Jaiko Gouda) と謂う人物の設定はそこから次第に遠ざかっていく様にみえる。むしろ、その兄とは全く異なる個性を彼女の中にみいだす事が可能だ。
これを指して、ジャイアンこと剛田武 (Takeshi Gouda aka Gian) の妹なのに、と謂う事も可能な一方で、それとは全く逆の、ジャイアンこと剛田武 (Takeshi Gouda aka Gian) の妹だからこそ、と謂う事もあながち不可能ではない。

マンガ『ドラえもん (Doraemon)』 [作:藤子・F・不二雄 (Fujiko F. Fujio) 19691996小学館の学習雑誌等連載] が描く世界では、野比のび太 (Nobita Nobi) は永遠に小学生のままだ。玄孫 (Great2-Grandchild) のセワシ (Sewashi Nobi) の連れてきたロボット (Robot) の介入によって、彼の人格は変質しているのだろうか。

もしもそのマンガの作家である藤子・F・不二雄 (Fujiko F. Fujio) が、大人になった野比のび太 (Nobita Nobi) を描く事があったとしたら、彼は源静香 (Shizuka Minamoto) ではなくてジャイ子 (Jaiko Gouda) の方を伴侶に選びそうな気が、ぼくにはする。

「たとえば、きみが大阪へ行くとする。いろんな乗りものや道すじがある。だけど、どれを選んでも、方角さえ正しければ大阪へ着けるんだ」(こちらを参照の事)

それは22世紀の猫型ロボット (A Blue Robotic Cat From The 22nd Century) の介入程度では、決して揺るぎ様もない歴史や運命の存在を主張したいから、ではない。
それとは逆だ。22世紀の猫型ロボット (A Blue Robotic Cat From The 22nd Century) の介入によって人格的に成長した野比のび太 (Nobita Nobi) が、ジャイ子 (Jaiko Gouda) と謂う人物の中にある人格を認めた結果、になるのではないか。

かつて藤子・F・不二雄 (Fujiko F. Fujio) は自身のヒット作のパロディとしてマンガ『劇画・オバQ (Gekiga Oba-Q)』 [1973ビッグコミック掲載] を発表している。マンガ『オバケのQ太郎 (Obake no Q-Tarou)』 [19641966週刊少年サンデー連載] に登場した少年少女達の成人した姿をそこでは描いているが、苦くてつらい、ブラックな作品だった。

だがもし仮に、野比のび太 (Nobita Nobi) の結婚を主題とする作品を藤子・F・不二雄 (Fujiko F. Fujio) が描くとしたら、誰からも祝福される様な作品になるのではないだろうか。
繰り返すが、その花嫁は源静香 (Shizuka Minamoto) ではない。ジャイ子 (Jaiko Gouda) なのだ。

いや、単純にぼく自身がジャイ子 (Jaiko Gouda) っていい娘だなって、思っているだけの事なんだけど。

次回は「」。
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