2015.11.15.10.20

"THE BEST OF THE SPENCER DAVIS GROUP FEATURING STEVIE WINWOOD" by THE SPENCER DAVIS GROUP

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ぼくが意識的に洋楽を聴く様になった時分には既に、スティーヴ・ウインウッド (Stevie Winwood) は寡作ながらも着実な歩みをみせてはいたが、肝心のぼく自身が彼の音楽に積極的に飛び込む事はなかったのだ。
その現状は現時点でも相変わらずで、彼がソロ・デヴューする前のキャリア、すなわちトラフィック (Traffic) での活動もつい最近、時系列に沿って初めて聴いたばかりだ。
にも、関わらずに、彼の最初期のキャリアである、スペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) での楽曲群を収録した本作品は随分と、聴き倒していたのである。

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現在では、スペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) での彼の活動を眺望するのには、本作品よりも相応しいモノがある。それはアンソロジー『スペンサー・デイビス・グループ ヒストリー [エイト・ギグス・ア・ウィーク] (Eight Gigs A Week : The Steve Winwood Years)』であって、1996年に発売された。
それ以前には1967年発表の本作品しかないし、本作品ではない作品、つまり、スペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) がリアル・タイムで活動していた時季に発表されたオリジナル作品も復刻されてはいなかったと想う。文字通りにこれしかなかったのだ。

だから逆に謂えば、本作品は現時点では殆ど存在価値のないアンソロジーと謂えるのかもしれない。

と、なるとアンソロジー『スペンサー・デイビス・グループ ヒストリー [エイト・ギグス・ア・ウィーク] (Eight Gigs A Week : The Steve Winwood Years)』ではなくて、敢えて本作品を紹介するのは何故なのか。

答えは単純で、アルバム冒頭に収録された『アイム・ア・マン (I'm A Man)』[1967年発表] が格好いいから、それに尽きるのだ。
もし仮に、彼らの他の代表曲『キープ・オン・ランニング (Keep On Running)』 [1965年発表] や『愛しておくれ (Gimme Some Lovin)』 [1966年発表] やが本作品の劈頭を飾っていたとしたら、作品とそこから知る事の出来るバンドの印象はまた変わったモノになるだろうし、それにぼくが魅了されたのかと謂うと、それは定かではない。

アイム・ア・マン (I'm A Man)』にあって、『キープ・オン・ランニング (Keep On Running)』や『愛しておくれ (Gimme Some Lovin)』 にないモノ、それはぼくの中に確固たるモノがあるのだけれども、それを言語化させるのは難しい。
そしてその逆を述べる事もまた同じだ。
何故、『キープ・オン・ランニング (Keep On Running)』や『愛しておくれ (Gimme Some Lovin)』 が彼らの代表曲として認知されている一方で、『アイム・ア・マン (I'm A Man)』はそれらの1歩も2歩も遅れてしまうのか。
ありきたりの言説を弄べば、それで充分な論説を構築させる事は可能だけれども、それはぼく達が敢て行うまでもない。それをもって、口を糊するヒトビトに委ねればいいだけだ。

だから、ちょっと違う事を綴ってみる。
本作品に収録された全14曲のうち2曲を除いて、このバンドが所属していたアイランド・レコード (Island Records Ltd.) のオーナー、クリス・ブラックウェル (Chris Blackwell) がプロデュースしている。
遺りの2曲はとみれば、1曲は『アイム・ア・マン (I'm A Man)』でジミー・ミラー (Jimmy Miller) によるモノであって、もう1曲は『ストロング・ラブ (Strong Love)』 [1965年発表] でハリー・ロビンソン (Harry Robinson) がプロデューサーだ。

一方で、各楽曲の作者クレジットに着目すると、ジャッキー・エドワーズ (Jackie Edwards) と謂う名の多さに気づく。共作も含めれば全14曲のうちの4曲だ。ちなみに『キープ・オン・ランニング (Keep On Running)』も彼の曲である。
ジャッキー・エドワーズ (Jackie Edwards) は、ジャマイカ (Jamaica) の音楽を英国に紹介すると謂う趣旨で設立されたアイランド・レコード (Island Records Ltd.) の、その初期から関わるアーティストで、謂うならばそのレーベル・オーナーであるクリス・ブラックウェル (Chris Blackwell) の盟友の様な存在でもあるし、レーベル創立の動機となったアーティストのひとりと謂う事も出来る。
だから、スペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) は、同時期の多くのバンドとは多少なりとも異なる位相にあるのかもしれない。
アイランド・レコード (Island Records Ltd.) が孕んで産みそして育てようと謂うあるプロジェクトがスペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) でありその中心にスティーヴ・ウインウッド (Stevie Winwood) がいると謂う様な。そして、そのプロジェクトの主目的が、アイランド・レコード (Island Records Ltd.) における英ロック・シーンの中枢で活躍出来るバンドの発掘運営であるのかもしれないのだ。

但し、それを裏付けるモノは一切ない。
もし仮にそれがあったとしても、非常に緩い、大雑把な発想でしかない様に思える。

だが、ジャマイカ (Jamaica) の音楽に本来は拠点を得ていた筈の同レーベルが、いつしか、幾つもの優秀なロック・バンド送り出す拠点になったのは事実で、その最初期の存在がスペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) であると謂う事は決して不可能ではない筈だ。

だから、ジミー・ミラー (Jimmy Miller)・プロデュースの楽曲『アイム・ア・マン (I'm A Man)』 [スティーヴ・ウインウッド (Stevie Winwood) とジミー・ミラー (Jimmy Miller) の共作] は、そんな枠組みから逃れようとしてもがいた最初の成果なのかもしれないのだ。

改めて、スペンサー・デイヴィス・グループ (The Spencer Davis Group) の音楽を聴いてみる。
このバンドがあらかじめ抑えてある範疇の中には、スティーヴ・ウインウッド (Stevie Winwood) の力量が収まる訳ではないと嫌でも解る。だからと謂って、彼がバンドをより高い次元へと押し上げる事は出来るかと謂うと、それも妖しい。遅かれ早かれ彼はバンドから飛び抜けるだろう。
そして事実そうなのだ。
でも、だからと謂って、ここでの彼らの魅力は一切ないのかと問えば、決してそうではない。
目指しているモノは如実に解る、それを得る妨げがどこにあるのかも嫌と謂う程に思い知らされている、でも音楽は今、ここでしか出来ない。
そんなジレンマの中でもがいている彼は、実に素敵だ。

ぼくが彼等の音楽を好きな理由はきっと奈辺にあるのに違いない。

ものづくし(click in the world!)157. :
"THE BEST OF THE SPENCER DAVIS GROUP FEATURING STEVIE WINWOOD"
by THE SPENCER DAVIS GROUP


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"THE BEST OF THE SPENCER DAVIS GROUP FEATURING STEVIE WINWOOD" by THE SPENCER DAVIS GROUP

1. I'M A MAN (S. WINWOOD / J. MILLER)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD / ISLAND MUSIC LTD
2. GIMMIE SOME LOVIN' (S. WINWOOD / M. WINWOOD / S. DAVIS)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD / ISLAND MUSIC LTD
3. EVERY LITTLE BIT HURTS (ED COBB)
 JOBETE MUSIC (UK) LTD
4. THIS HAMMER (S. WINWOOD / M. WINWOOD / P. YORK / S. DAVIS)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD / ISLAND MUSIC LTD
5. BACK INTO MY LIFE AGAIN (J. EDWARDS / J. MILLER)
 ISLAND MUSIC LTD / WESTBURY MUSIC
6. WALTZ FOR LUMUMBA (S. WINWOOD)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD / ISLAND MUSIC LTD
7. TOGETHER TILL THE END OF TIME (FRANK WILSON)
 JOBETE MUSIC (UK) LTD
8. KEEP ON RUNNING (JACKIE EDWARDS)
 ISLAND MUSIC LTD
9. TRAMPOLINE (S. WINWOOD)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD
10. WHEN I COME HOME (S. WINWOOD / J. EDWARDS)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD / ISLAND MUSIC LTD
11. STRONG LOVE (MALONE / SILVERS / BROWN)
 MCA MUSIC LTD
12. SOMEBODY HELP ME (J. EDWARDS)
 ISLAND MUSIC LTD
13. SHE PUT THE HURT ON ME (L.NELSON)
 EMI UNITED PARTNERSHIP LTD
14. GOODBYE STEVIE (S. WINWOOD / M. WINWOOD / P. YORK / S. DAVIS)
 F.S. MUSIC LTD / WARNER CHAPPELL MUSIC LTD / ISLAND MUSIC LTD

Spencer Davis - Rhythm guitar and vocal on "She put the hurt on me" only.
Pete York - Drums
Stevie Winwood - organ, lead guitar, piano, harmonica and lead vocal
Muff Winwood - Bass guitar

Arrangements by Stevie Winwood
All titles produced by Chris Blackwell
except :
Strong Love - Harry Robinson
I'm a man - Jimmy Miller

cover design - CCS Advertising Associates Ltd.
Re-issue package by Phil Smee at Waldo's Design & Dream Emporium.

This compilation (P) 1967 Island Records Ltd
(C) 1967 Island Records Ltd
The copyright in this sound recording and artwork is owned by Island Records Ltd

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ぼくが所有しているのは復刻版のCDで、そのヴィジュアルは上掲の様に、収録楽曲の表示が大きい。しかもそればかりか、収録楽曲も差し替えられている様だ。上記掲載の収録楽曲はぼく自身の所有物であるCDに準じたが、稚拙なイラストの方は、オリジナルのモノラルLPに倣っている。
そおゆうややこしい事をしでかした理由は、単純にモノラルLPの方がデザイン的な観点から謂って、復刻CDよりも勝っているからだ。
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