2015.11.13.09.52

Strawberry Swing

その壁の片隅に、あかいまるがえがかれている。

おおきな洋館の壁だ。とてつもなくふるい。
そこにペンキじみのようにある。
それですべてがぶちこわしだ。おもむきも風情もあったものではない。

もちぬしはとうになくなっている。遺族もひきとりてもいない。
市がてをこまねいている。

ふるい建物だ。文化遺産になるのかもしれない。もしかしたらそれがかたむいた財政をすくえるかもしれない。
そんなことをかんがえるものがいる。

だが、あの赤ペンキがそれをさまたげる。
しらけちゃうのだ。ばかばかしくなるのだ。
あほらしい。あんなほったてこやになぜ、だいじなかねをそそぎこむのだ。
そんなきにさせるらしい。たったひとつのしみが。

あれをとってしまえばいい。そうかんがえるものがいないではない。
だが、どんな溶剤をもちいてもとれないという。

むかしをしっているものはこんなことをいう。
いまは白壁だが、以前はつたがからまるみごとなものだった。
季節になればはながさき、実が一面にみのる。それをもいでたべたものだ。
だがあの冬がおわってから、つたはどんどんかれてゆく。
はなもさかない。みのらない。
業をにやした住人が、白壁に絵をえがこうとした。
なにをもくらんだのかわからない。なにをえがこうとしたのかわからない。
しかも、老人は翌日しんだ。
だから、こうやってあかいまるだけがのこっている。

[the text inspired from the song "Strawberry Swing" from the album "Viva La Vida Or Death And All His Friends" by Coldplay]


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