2015.10.16.11.47

Orchestra

そのちっぽけな楽団の、そもそものはじまりは慰問団のようなものだった。

都会ではなくてまち、まちではなくてむら、いなかというよりも辺境のちいさな集落をたずねてまわる一座だった。
だから、音楽をきかせるよりも、楽器をかなでるよりも、もとめられるのはそとの世界のできごと、観客たちのしらない世界をかたりつたえることだった。

もちろん、音楽はある、楽器もなる。そしてそれにたいしてのいくばくかのなげせんもある。
だが、それよりも、一座のだしものがおわったその夜、かりのやどりでの歓待のほうが、おおきかった。
たらふくのんで、たらふくくって、そして翌朝、ふつかよいのおもたいはらをかかえて旅にでる。
はらがへったらその場所がその日の公演、つぎの宿泊地になる。
そんな毎日だった。

状況がかわったのは、そのくにが戦争にまきこまれてからだ。
食糧の事情がかわったのだ。
おとこはいない、戦場にかりだされたからだ。そしておんなはいそがしい。いないおとこたちのかわりにはたらく。
だから、だれもかれらにみむきもしない。
かれらのまわりにむらがるのは、ろくなこづかいももたないこどもたちばかりだ。

そんな理由で、かれらもくにをでた。
戦地におもむいて、兵隊たちのもとをおとずれて、かれらをなぐさめて、そのみかえりにくわしてもらおう、と。

[the text inspired from the song "Orchestra" from the album "The Servant" by The Servant]

images
the single for the song "Orchestra" by The Servant

関連記事

theme : 今日の1曲 - genre : 音楽

a song for you | comments : 0 | trackbacks : 0 | pagetop

<<previous entry | <home> | next entry>>

comments for this entry

only can see the webmaster :

tackbacks for this entry

trackback url

http://tai4oyo.blog108.fc2.com/tb.php/1870-b419ce04

for fc2 blog users

trackback url for fc2 blog users is here