2015.07.19.10.51

"JUNE 1, 1974" by KEVIN AYERS - JOHN CALE - ENO - NICO

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この連載の流れのなかで、本作品がこの位置にあるのは、ニコ (Nico) が参加しているからだ。

だけれども、アルバム・ジャケットに並ぶ4人は必ずしも均等とは謂い難く、収録楽曲数をみれば解る様に、この作品とその収録の為に開催されたライヴ・イヴェントの主役はケヴィン・エアーズ (Kevin Ayers) なのである。
アルバム裏に表記されているバンド、ソポリフィックス (The Soporifics) とは、当時のケヴィン・エアーズ (Kevin Ayers) のバック・バンド名なのだ。

だからと謂って、ケヴィン・エアーズ (Kevin Ayers) が一切の采配をとっていた様にもみえない。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド (The Velvet Underground) 以降の知己であるジジョン・ケイル (John Cale) とニコ (Nico) が共にいるのは至極当然のモノなのかもしれないが、この4人が一堂に会する謂れは、解った様で解らない。
[作品成立の経緯はアルバム裏に記載されてはいるが、そこにあるのは偶然と、純然たるミュージシャン・シップの積み重ねだけなのだ。]

と、同時に、アルバム・ジャケット写真には掲載されてはいないモノの、スペシャル・ゲスト (Special Guest) 扱いのふたり、マイク・オールドフィールド (Mike Oldfield) とロバート・ワイアット (Robert Wyatt) の存在を無視する事も出来ない。

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本作品が収録され発表された1974年の彼らの作品を列挙してみよう。
ケヴィン・エアーズ (Kevin Ayers) 『夢博士の告白 (The Confessions Of Dr. Dream And Other Stories)』 [上段左]
ジョン・ケイル (John Cale) 『恐れ (Fear)』 [上段中]
ブライアン・イーノ (Eno) 『ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ (Here Come the Warm Jets)』[上段右]
ニコ (Nico) 『ジ・エンド (The End…)』 [下段左]
マイク・オールドフィールド (Mike Oldfield) 『ハージェスト・リッジ (Hergest Ridge)』 [下段中]
ロバート・ワイアット (Robert Wyatt) 『ロック・ボトム (Rock Bottom)』 [下段右]

本作品が国内発売された際の邦題は『悪魔の申し子たち〜その歴史的集会より (JUNE 1, 1974)』と謂う。
つけもつけたりな、法外な呼称だけれども、1974年当時の、4人プラス2人の所在とアルバム冒頭を飾るブライアン・イーノ (Eno) の素っ頓狂なポップ・チューン2曲や、エルヴィス・プレスリー (Elvis Presley) の『ハートブレイク・ホテル (Heartbreak Hotel)』 [ジョン・ケイル (John Cale) が歌唱] とドアーズ (The Doors) の『ジ・エンド (The End)』 [ニコ (Nico) の歌唱] と謂う異様な解釈を聴けば、そう名づけたくなる様な心情も解らないではない。

だけれども、当時の異形が未だに孤高を守っているとは謂い難く、彼らのアプローチはパンク (Punk) 〜ニュー・ウェイヴ (New Wave) 以降は、ある種のスタンダードな方法論としての地位を獲得している。

早すぎる登場と謂うべきか、それとも、時代に先んじていると謂うべきかは、ぼくは知らない。

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少なくとも、『ハートブレイク・ホテル (Heartbreak Hotel)』 [ジョン・ケイル (John Cale) が歌唱] も『ジ・エンド (The End)』 [ニコ (Nico) の歌唱] も、歌唱したふたりにとっては自身を代表する楽曲になっている。
ニコ (Nico) はその年11月に発表するアルバム『ジ・エンド (The End…)』 [プロデュースはジョン・ケイル (John Cale)] に表題曲としてその楽曲を収録したし、ジョン・ケイル (John Cale) は1992年発表のライヴ・アルバム『追憶の雨の日々〜プレシャス・ソングス (Fragments Of A Rainy Season)』では、楽曲のさらに深淵へと到達したかの様な歌唱を聴かせてくれる。

そう謂う意味では、一聴、朴訥でフォーキーな佇まいをみせているケヴィン・エアーズ (Kevin Ayers) こそが唯独り、誰にも似ない、誰の影響を受けていない唯我独尊な風貌を覗かせている様にも想える。
その声質すらも独自の存在感を放っている。

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彼に最もよく似た人物は、ぼくからみればシド・バレット (Syd Barrett) 以外の何物でもないのだが、1974年当時、既に彼は音楽シーンから去ってしまっている。
[シド・バレット (Syd Barrett) のオリジナル・ソロ作品は『帽子が笑う…不気味に (The Madcap Laughs)』 [左] と『その名はバレット (Barrett) 』 [右] の2作品のみ。共に1970年の発表。]

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だから、本作品を手掛かりにして、幾つもの名作や名曲を探求する旅に出られそうなモノなのに、それすらも出来ない。
線にも繋がらず面を構成する訳でもなく、ただ致命的な刻印の様な面持ちでこの作品はここにある。
1974年と謂う時代を刻み込んだ作品と謂いたいところだが、後にブライアン・イーノ (Eno) がプロデュースする『ノー・ニューヨーク (No New York)』の様なマイルストーン (Mile Stone) の様な趣すらない。

不思議な作品なのだ。
[ミュージシャンの人選と、コンサートの開催からレコーディングまで一切をブライアン・イーノ (Eno) が仮に総てをしきってたとしたら、全く異なる作品になるだろう。と、同時に、当時の彼の行動から想起するに、彼がそれらを行うのは不思議でもなんでもない光景なのだが、本作品には一切それを感じられない。]

ものづくし(click in the world!)153. :
"JUNE 1, 1974" by KEVIN AYERS - JOHN CALE - ENO - NICO


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"JUNE 1, 1974" by KEVIN AYERS - JOHN CALE - ENO - NICO

JUNE 1, 1974
KEVIN AYERS - JOHN CALE - ENO - NICO
AND THE SOPORIFICS
WITH SPECIAL GUESTS MIKE OLDFIELD AND ROBERT WYATT

SIDE A
1. Driving Me Backwards (Eno) * 5.48
Eno (vocal, synthesiser), John Cale (viola), Ollie Halsall (piano), Rabbit (organ), Archie Leggatt, Kevin Ayers (bass guitars), Eddie Sparrow (bass drum), Robert Wyatt (percussion)

2. Baby's On Fire (Eno) * 3.34
Eno (vocal, synthesiser), John Cale (piano), Rabbit (organ), Ollie Halsall (guitar), Archie Leggatt, Kevin Ayers (bass gitars), Eddie Sparrow (drum kit), Robert Wyatt (percussion)

3. Heartbreak Hotel (Mae Axton) † 4.54
John Cale (vocal), Eno (synthesiser), Rabbit (organ), Ollie Halsall (guitar), Archie Leggatt (bass guitar), Eddie Sparrow (drum kit), Robert Wyatt (percussion), LIza Strike, Irene Chanter, Doreen Chanter (backing vocals)

4. The End (The Doors) ‡ 8.51
Nico (vocal, harmonium), Eno (synthesiser)

* E.G. Music Ltd.
Multimood Music Ltd.
Rondor Music (London) Ltd.

SIDE B
5. May I? (Ayers) * 5.16
6. Shouting In A Bucket Blues (Ayers) † 4.47
7. Stranger In Blue Suede Shoes (Ayers) * 3.14
Kevin Ayers (vocal, guitar), Rabbit (organ, grand piano,electric piano), Ollie Halsall (lead guitar), Archie Leggatt (bass guitar), Eddie Sparrow (drum kit), Robert Wyatt (percussion)

8. Everybody's Sometime And Some People's All The Time Blues (Ayers) † 4.06
Kevin Ayers (vocal, guitar), Mike Oldfield (solo guitar), Ollie Halsall (guitar), Rabbit (organ)

9. Two Goes Into Four (Ayers) † 2.17
Kevin Ayers (vocal, acoustic guitar), Ollie Halsall, Mike Oldfield (acoustic guitars), Rabbit (organ), Eno (synthesiser), John Cale (viola), Archie Leggatt (bass guitar), Eddie Sparrow (tympani), Robert Wyatt (percussion)

* Warner Bros Music Ltd.
Blackhill Music Ltd.

Mike Oldfield and Robert Wyatt appear by courtesy of Virgin Records.
Concert presentation by Ian Tilbury.
Recorded at the Rainbow Theater, London, on the Island mobile, and mixed at Sound Techniques.
Engineered by John Wood. Recording Assistants : Phil Ault and Ray Doyle.
Produced by Richard Williams.

(P) 1974 Island Records Ltd.
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