2015.05.17.10.08

"MUSIC FROM THE ORIGINAL SCORES STRANGER THAN PARADISE AND THE RESURRECTION OF ALBERT AYLER" by JOHN LURIE MADE TO MEASURE VOL. 7

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この作品の約半分、アナログ盤で謂うところのA面にあたる楽曲は、映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス (Stranger Than Paradise)』 [ジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) 1984年制作] に使用された音楽。
遺りの約半分、アナログ盤B面楽曲は、『エリザべシアン・フレージング・オヴ・アルバート・アイラー (The Elizabethan Phrasing Of Albert Ayler)』 [舞踊:キャロル・アーミテージ (KAROLE ARMITAGE) 1984?年制作] と謂う題名のダンス・パフォーマンスに起用された音楽。
そして、この2つの音楽作品を収録した本盤は、クラムド・ディスク ( Crammed Discs) の音楽シリーズ『メイド・トゥ・メジャー (Made To Measure)』の第7作。『メイド・トゥ・メジャー (Made To Measure)』とは、映像やパフォーマンスに供された音楽作品であって、基本的にインストゥルメンタル・ナンバー (Instrumental Music) を収録する習わしになっている。
と、謂うのが、この長々しい題名の作品集の、題名だけから解読できる事柄である。

前者が弦楽四重奏 (String Quartet) 楽曲による演奏が7曲。
後者が、サックス (Alto And Soprano Saxophone)、トロンボーン (Trombone)、ギター (Guitar)、ヴァイオリン (Violin) 2、ベース(Bass)、パーカッション (Percussions) 2、ドラムス (Drums)、9人編成の楽隊による演奏で4曲。
計11曲によって構成されている。

さて、その作者はと謂えば、ラウンジ・リザーズ (The Lounge Lizards) [このバンドのデヴュー作『ラウンジ・リザーズ (The Lounge Lizards)』 [1981年発表] に関してはこちらを参照の事] のリーダーでありアルト・サックス (Alto Saxphone) 奏者であるジョン・ルーリー (John Lurie)。映画作品の主演者のひとりでもある。

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その彼の主演作である映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス (Stranger Than Paradise)』 [ジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) 1984年制作] は、公開時にリアル・タイムで劇場で体験したが、この音楽作品を入手したのは、映画を観る前だったのか、それとも、観た後だったのか。

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映画作品の主題歌の様な位置を占めているスクリーミング・ジェイ・ホーキンス (Screamin' Jay Hawkins) の『アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー (I Put A Spell On You)』 [アルバム『アット・ホーム・ウィズ・スクリーミング・ジェイ・ホーキンス (At Home With Screamin' Jay Hawkins)』収録 1956年発表] が収録されていない事を残念に想った記憶があるから、恐らく、映画体験後の事なのだろう [と勿体ぶってみたところで、アルバム・クレジットを観ればすぐに解ってしまう、音楽作品としては映画公開の翌1985年発表だった]。

と、綴った一方で、モノクロのスクリーンの向こうから、時代錯誤めいたブルース (Blues)・ナンバーが流れてきた際は、映画の選択肢を誤ったと想った事が強く印象に残っているから、上の記述の様な感慨はあまり大きな声では謂えない。
映画の中では、エヴァ (Eva) [演:エスター・バリント (Eszter Balint)] が抱える馬鹿でかくて旧くさいラジカセ (Boombox) から絶えず流されるこの楽曲が、愛おしく想えて来るのは、この曲を聴きながら彼女が踊るシーンがあったからで [そおゆう意味では音楽に擦り寄った際の映像を撮らせればジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) はいつも最高なのだ]、それまではこの映画作品の中に溢れかえっている異物のひとつでしかない。

異物と謂ってもそれは常に相対的なモノで、それは常に他者や他物 [こおゆう表現ってあり得るのだろうか] と衝突して初めて認識されるモノであって、衝突がなければそれは只の常識人であったり常識物でしかない。要は、物差し (Measure) となるモノを一体、誰が持っているのか、と謂う僅かばかりの差異でしかない。

ジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) 作品のどこかに異邦人や異言語が登場するのは、それを一度、誰にも理解可能なモノとして呈示する為の便法であって、例えば仮に、同郷であろうと同国人であろうと言語が共通であろうと、会話は常に齟齬をきたしていて、それに気づくモノは [映画の中には誰も] いない。
否、それはスクリーンの中、物語の中の出来事とは限らず、同じ様な姿勢で同じ画面を凝視している観客同士であっても、全く同じ事だ。
ジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) 作品を観る観客の、笑いは常に擦れたタイミングで沸き起こるし、それにも関わらずに苦虫を噛み続けている観客も少なからずはいる。

それを前提にしてこの作品に収録されたその映画の為に創られた楽曲を聴くと、異物感はあまりに少ない。モノクロームの映像にひっそりと擦り寄っている様に聴こえる。
上で、物差し (Measure) 云々と謂う表現が思わず溢れたけれども、この音楽作品が『メイド・トゥ・メジャー (Made To Measure) 』から発売されたのはあまりに示唆的だ。
この拙稿を書く為に、数十年振りに引っ張り出して聴いてみたら、確かにこの楽曲群は、あの映画の中で流れていた音楽だとすぐに想い起されてしまった。

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[ジョン・ルーリー (John Lurie) は、ジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) の次作である映画『ダウン・バイ・ロー (Down By Law)』 [1986年制作] でも引き続き主演のひとり一人であると同時に音楽を担当しているが、印象に遺るのは、同じく主演のひとりトム・ウエイツ (Tom Waits) のぶつぶつ呟く様な歌以前の歌、つまり同じく主演の一人であるロベルト・ベニーニ (Roberto Benigni) 曰くの『悲しくて美しい世界 (Sad And Beautiful World)』なのだ。この映画のサウンド・トラック盤『ダウン・バイ・ロー (Down By Law & Variety)』はクラムド・ディスク ( Crammed Discs) の『メイド・トゥ・メジャー (Made To Measure)』から発売されていて同シリーズの第14作として位置づけられている。
ジム・ジャームッシュ (Jim Jarmusch) の次々作である映画『ミステリー・トレイン (Mystery Train)』 [1989年制作] ではジョン・ルーリー (John Lurie) は音楽を担当するモノの作品中には登場せず、サウンド・トラック盤もクラムド・ディスク ( Crammed Discs) からではない。]

敢えて謂えば、あの物語に擦り寄る為の音楽の演奏形態が、弦楽四重奏 (String Quartet) で良いのだろうかと謂う疑問符を抱かせるのが異和と謂えば異和なのだが。

つまり、ラウンジ・リザーズ (The Lounge Lizards) のリーダーのソロ作品として聴けば思い描ける様な音楽では一切ない訳で、むしろ、『エリザべシアン・フレージング・オヴ・アルバート・アイラー (The Elizabethan Phrasing Of Albert Ayler)』用の楽曲群の方が、彼の日常に近い様な気がする。
と書いてはみたモノの、肝心のダンス・パフォーマンスが如何様なモノなのかは一切、解らない。ネットで検索してもそれの資料として参照できそうなモノも、出てこない。

ものづくし(click in the world!)151. :
"MUSIC FROM THE ORIGINAL SCORES
STRANGER THAN PARADISE
AND THE RESURRECTION OF ALBERT AYLER"
by JOHN LURIE
MADE TO MEASURE VOL. 7


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"MUSIC FROM THE ORIGINAL SCORES STRANGER THAN PARADISE AND THE RESURRECTION OF ALBERT AYLER" by JOHN LURIE MADE TO MEASURE VOL. 7

MUSIC FROM THE ORIGINAL SCORES STRANGER THAN PARADISE

SIDE ONE
1. BELLA BY BARLIGHT 3.17
2. CAR CLEVELAND 3.08
3. SAD TREES 0:55
4. THE LAMPPOSTS ARE MINE 1.45
5. CAR FLORIDA 3:00
6. EVA & WILLIE'S ROOM 0.36
 BEER FOR BOYS 0.19
 EVA PACKING 0.59
7. THE GOOD AND HAPPY ARMY 3.11
8. A WOMAN CAN TAKE YOU TO ANOTHER UNIVERSE ; SOMETIMES SHE JUST LEAVES YOU THERE 1.20
Music Composed by John Lurie

(P) 1985 CRAMMED DISCS
(C) 1985 BARKING LADY
SUB-PUBLISHED BY CRAMMED DISCS

PERFORMED BY THE PARADISE QUARTET
JILL JAFFEE VIOLA
EUGENE MOYE CELLO
MARY ROWELL VIOLIN
KAY STERN VIOLIN

PRODUCED BY JOHN LURIE
RECORDED BY TOM LAZARUS AT ST. IGNATIUS ESPISCOPALIAN CHURCH, NEW YORK CITY
MADE TO MEASURE FOR THE FILM "STRANGER THAN PARADISE"

THE RESURRECTION OF ALBERT AYLER

SIDE TWO
1. SIXTIES AVANT-GARDE
2. SEX WITH MONSTER
3. YOU OWE ME MONEY
4. RESURRECTION
(total timing 16:19)
Music composed by John Lurie

(P) 1985 CRAMMED DISCS
(C) 1985 BARKING LADY
SUB-PUBLISHED BY CRAMMED DISCS

PERFORMED BY
JOHN LURIE・ALTO & SOPRANO SAXOPHONE
CURTIS FOWLKES・TROMBONE
ARTO LINDSAY・GUITAR
JILL JAFFEE・VIOLIN
MARY ROWELL・VIOLIN
TONY GARNIER・BASS
E. J. RODRIGUEZ・PERCUSSION
TONI NOGUEIRA・PERCUSSION
DOUGLAS B. BOWIE・DRUMS

PRODUCED BY JOHN LURIE
ORCHESTRATED BY EVAN LURIE

RECORDED BY RICHARD KAY AT 39TH STREET MUSIC, NEW YORK CITY.
MADE TO MEASURE FOR "THE ELIZABETHAN PHRASING OF ALBERT AYLER", A DANCE PERFORMANCE BY KAROLE ARMITAGE.

Cover Design・Patrick Roques
Special Thanks to・Danny Dunphy & Joe Bini

Photo from "STRANGER THAN PARADISE"
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