2015.04.24.12.12

Push

なんのまえふりもなく、おれたちがすわっている席にスポットがあたり、おれたちふたりの名前がつげられた。

相方のしりあいが主賓でたんなるかずあわせだときいていた。あたえられた席もすみにあって、おなじ円卓をかこむ数組の男女も、はじめてあうやつらばかりだ。

相方の愛想をとりながら、めのまえにならべられる食事をただ、たいらげていればいいとばかりおもっていた。最低限のテーブル・マナーに準じて、酒の粗相だけをきもにめいじておけばいい。
相方からはそんなことばばかりをうけたまわっていた。

前菜がかたづいたころだった、それは。

司会者によびだされ、はじの席でこっそりよっぱらっているはずがステージ中央にひっぱりだされ、一斉の拍手をあびる。
なんのことだかわからない。

真の主役はあくまでも相方だが、ことあるごとにおれがもちあげられる。
内助の功、というのだそうだ。

まず、司会者が簡単な略歴をかねてあいつをことほぐ。そのついででおれ。
次に本日の主賓達が、あいつをもちあげてそのついでにおれをもちあげる。はずかしくってあなにでもにげこみたいぐらいだ。

それですんじまえばたんなる壁の花の赤っ恥でいい。
では一言と、おれにおはちがまわってきやがった。
あげるのもおとすのも自由、ちょっときのきいた台詞をはいて、相方のしゃべりやすい環境をこさえればいい。ちょっとした道化の役をもとめられているわけだ、おれは。

だが本来ならば、おれのよこにいるのはこいつじゃあないんだ。残念ながら。おれは一体全体、だれにむかって残念ということばをつかっているんだ。まぁいい。
おれにもうちょっと根性と自信があれば、こんなおんなつっとばして、本来の相方をよびだしてスピーチしてやりたいところなんだ、本当は。

[the text inspired from the song "Push" from the album "Yourself Or Someone Like You" by Matchbox Twenty]

images
the single, for the song "Push" by Matchbox Twenty

関連記事

theme : 今日の1曲 - genre : 音楽

a song for you | comments : 0 | trackbacks : 0 | pagetop

<<previous entry | <home> | next entry>>

comments for this entry

only can see the webmaster :

tackbacks for this entry

trackback url

http://tai4oyo.blog108.fc2.com/tb.php/1746-e0656f5a

for fc2 blog users

trackback url for fc2 blog users is here