2015.03.31.09.50

くるーじんぐうぃずるーべんあんどざじぇっつ

表題に掲げたのは、1960年代 (1960s) に活躍したドゥーワップ (Doo-Wop)・バンド、ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Ruben And The Jets) が1968年に発表した唯一のアルバム『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Cruising With Ruben And The Jets)』からである。全13曲収録で、うち4曲はフランク・ザッパ (Frank Zappa) 率いるマザーズ・オブ・インヴェンション (The Mothers Of Invention) [活動期間:19641975年] の楽曲のカヴァーだから、オールディーズ (Oldies) のカヴァーが常道の、この手のドゥーワップ (Doo-Wop)・バンドとしては珍しい選曲だ。

と、謂う大嘘は、本来ならばどこまでも徹底してやるのが筋だけれども、いずれ襤褸が出る。明日だったら、よかったんだけれどもね?

実は、と身構える程のモノではないのだけれども、この作品の主人公、ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Ruben And The Jets) とはマザーズ・オブ・インヴェンション (The Mothers Of Invention) の変名なのである。

自身の作品のセールスと評価が一向に向上しないのを理由に、ラジオでオン・エア可能な楽曲をここで発表してしまおうと謂うのが、最初の動機だったらしい。結果、普段ではマザーズ・オブ・インヴェンション (The Mothers Of Invention) 等見向きもしないラジオ・ステーションやラジオ番組で、新人ドゥーワップ (Doo-Wop)・バンドの楽曲として紹介されたと謂う。そおゆう意味では、少なからずも当初の目論んだ意図は達成された様だ。

と謂うこの作品の紹介文はいろいろなところで見かけた記憶はあるのだけれども、実際のところはどうなのだろうか。つまり、この作品の為に書き下ろされた新曲9曲はいざ知らず、実質上セルフ・カヴァーとなる4曲の存在が気になるのだ。聴き心地の良いサウンドとメロディでオブラート (Oblaat) がかかってはいるのだけれども、歌詞はその楽曲が初めて発表されたモノのままなのだ。少なくともことばに関しては決して耳障りが良いモノとは謂えないのではないだろうか。それとも、ダブル・ミーニング (Double Meaning の一方の意味だけが聴き取られるのか。もしそうだとすると、新曲9曲も同じ様なカモフラージュ (Camouflage) が成されているのかもしれない。
と謂う様な事を考え始めると同時代に生き、英語 (English) をネイティヴに理解出来ないと、上に綴った様な疑問は一向に解消されないのではないだろうか。

ただ、現在の視点ではこの作品、フランク・ザッパ (Frank Zappa) の幾つもある音楽的なルーツを端的に物語る作品として評価されている。

マザーズ・オブ・インヴェンション (The Mothers Of Invention) が結成される1964年よりも以前のフランク・ザッパ (Frank Zappa) 作品を集めた楽曲集『クカマンガ・イヤーズ 1962 - 1964 (The Cucamonga Years: The Early Works of Frank Zappa [1962 - 1964])』 [1998年発売] と謂う作品があるが、あそこで聴く事の出来る楽曲群と端的に直結する作品だ。

images
上に掲載するのはフランク・ザッパ (Frank Zappa) 当時18歳の、アンテロープ・バレー高校 (Antelope Valley High School) 卒業写真 [掲載画像はこちらから]。1959年撮影。アルバム『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Cruising With Ruben And The Jets)』に掲載されている同バンドのリーダー、ルーベン・サノ (Ruben Sano) の肖像写真は、上の写真と同時季に撮影されたモノ [もしくはそれを画像処理したモノ] と思われる。

と、同時にザ・タートルズ (The Turtles) であるところのフロー・アンド・エディー (Flo And Eddie) ことマーク・ヴォルマン (Mark Volman) とハワード・ケイラン (Howard Kaylan) が在籍した時代 [在籍期間:19701972年] とその当時の楽曲、つまり歴代のフランク・ザッパ (Frank Zappa) のバック・アンサンブルの中で最も、ヴォーカリゼーションとコーラス・ワークに重きを重んじていた時代への布石とも謂える。
[そのフロー・アンド・エディー (Flo And Eddie) ことマーク・ヴォルマン (Mark Volman) とハワード・ケイラン (Howard Kaylan) 在籍時の作品にアルバム『ジャスト・アナザー・バンド・フロム L.A. (Just Another Band From L.A.)』 [1972年発表] があるが、ここに収録された楽曲の歌詞に登場するエピソードや語彙が、殆どある特定の地域の住民にしか理解できない地元ネタだと謂う。フランク・ザッパ (Frank Zappa) と謂うヒトが歌ものに走ると、どうも、作者の方から聴き手を選ぶと謂う非道い所業に打って出てしまうらしい。]

フランク・ザッパ (Frank Zappa) と、彼に関連する作品群を時系列順に並べると普通に考えれば5番目の位置に、先の『クカマンガ・イヤーズ 1962 - 1964 (The Cucamonga Years: The Early Works of Frank Zappa [1962 - 1964])』を入れると6番目の位置に、その直前の作品『ランピー・グレイヴィ (Lumpy Gravy)』 [1968年発表] はフランク・ザッパ (Frank Zappa) の個人名義だからと謂う理由と『クカマンガ・イヤーズ 1962 - 1964 (The Cucamonga Years: The Early Works of Frank Zappa [1962 - 1964])』は1998年に初めて陽の目をみたからと謂う理由で除くと4番目の位置に、いやいや、ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Ruben And The Jets) 名義の作品はこれしかないから全く別項目で独立した位置に、いやいや、この時代は数は少ないかもしれないが貴重なブートレッグ (Bootleg) 音源もあるからそれらも考慮にいれれば …。
と、謂う事になってしまうので、いっその事、作品名のアルファベット・オーダー (Alphabet Order) か購入した順番に並べてしまってもいいのかもしれない。

ぼくの手元にあるのは、ライコディスク (Rycodisc) から発売されたCDで、所謂、俗に謂う初CD化作品。確か、同時期にフランク・ザッパ (Frank Zappa) 作品が複数枚発売されたと謂う記憶があるのだけれども、大人買いはしなかった。恐る恐る1枚買っては聴き、そしてまた1枚買っては聴き、と謂う作業を繰り返して、1番最期の頃に購入した記憶がある。
最初に購入したのはアルバム『ウィー・アー・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マニー (We're Only In It For The Money)』 [1968年発表] とアルバム『ランピー・グレイヴィ (Lumpy Gravy)』が2in1された作品で、そのCDがぼく自身のフランク・ザッパ (Frank Zappa) 初体験作だ。

そのアルバム『ウィー・アー・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マニー (We're Only In It For The Money)』は、かのザ・ビートルズ (The Beatles) のアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』 [1967年発表] のパロディ作品 (Parody Work) として有名だし、それはそのアルバム・カヴァーのコンセプト [当初予定されていたオリジナルのヴィジュアルはザ・ビートルズ (The Beatles) 側からの批判を怖れたレコード会社ヴァーヴ・レコード (Verve Records) の意向によってインナー・スリーヴへと変えられてしまう] を観れば一目瞭然だ。
だけれども、もしかすると、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』の実質的なパロディ (Parody) と謂い得るのは、この作品『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Cruising With Ruben And The Jets)』の方にあるのではないだろうか。

と、謂うのは、実在しないバンドの20年ぶりの再結成コンサート模様を収めた作品と謂う、架空の体裁つまり虚構 (Fiction) が、そもそものアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』の主要コンセプトだからだ。その結果、かどうだか知らないが、作品の楽曲の殆どが当時の最先端ではなくて、一昔もふた昔も前の音楽にその身を委ねている。正しい言葉の意味としての前衛性 (Avant-Garde) と謂う言葉が相応しいのはアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』の前作『リボルバー (Revolver)』 [1966年発表] なのである。

と、謂う認識に立てば、ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Ruben And The Jets) と謂う架空のバンドが、流行遅れのドゥーワップ (Doo-Wop) を演奏するだけのアルバムと謂うアルバム『クルージング・ウィズ・ルーベン・アンド・ザ・ジェッツ (Cruising With Ruben And The Jets)』は、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』の発想をそのまま踏襲したと謂う事が可能なのではないだろうか。

次回は「」。
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