2015.03.03.09.59

らいだーずおんざすとーむ

なにかがはじまる。そんな胸騒ぎに苛まされて、そのはじまりに立ち合う覚悟にそそのかさせられながらも、事態には一向に変化の兆しない。
ただ、ふと気づいて仕舞えば、待っていた筈のそれは既に終わりを告げており、エンド・ロール (End Credits) だけがからからからと巻き上げられている音だけが響いている。

ドアーズ (The Doors) の楽曲『ライダーズ・オン・ザ・ストーム (Riders On The Storm)』 [原詞はこちら / 日本語訳詞はこちら] を聴くたびにぼくは、そんなイメージを抱かせられている。

この曲は、ドアーズ (The Doors) の第7作、バンドのヴォーカリスト (Vocalist) であるジム・モリソン (Jim Morrison) が生前、最後に参加したアルバム『L.A.ウーマン (L.A. Woman)』 [1971年発表] に最終楽曲として収録されていて、謂わば彼にとっての遺作。
ジム・モリソンの死後もバンドはもうしばらくは活動を続け新体制を模索し続けるが、ドアーズ (The Doors) はジム・モリソン (Jim Morrison) に代わるヴォーカリスト (Vocalist) を得る事は出来なかった。
実質的にはドアーズ (The Doors) にとってもこのアルバム『L.A.ウーマン (L.A. Woman)』 [1971年発表] は最終作と謂って良い作品なのである。

だから、この楽曲に充填している空虚な質感は、新しいなにかを予感させながらも、予感のままで終わってしまう。
もしもとか、仮にとか、発する事を半ば禁じられた言葉を口籠っても、そこから先の事は出て来ない。
むしろ、未完のままで終わってしまった楽曲『セレブレーション・オブ・ザ・リザード (Celebration Of The Lizard)』 [ライヴ音源はライヴ盤『アブソルートリー・ライヴ (Absolutely Live)』 [1970年発表] に収録] の方が、幾らでも、寿ぐ事を許されてしまう様な気がする。
そこには如何にも彼と彼ららしい混沌と激情だけが渦巻いているからだ。もてあました本能の様な感情の暴走は、初期の彼らの作品のどこにでも潜んでいるちからだからだ。

恐らく、きっと、ジム・モリソン (Jim Morrison) にしても、遺りのメンバー [レイ・マンザレク (Ray Manzarek : key)、ロビー・クリーガー (Robby Krieger : g)、ジョン・デンズモア (John Densmore : dr)] にしても、『セレブレーション・オブ・ザ・リザード (Celebration Of The Lizard)』とは全く異なる方向性を目指した楽曲が『ライダーズ・オン・ザ・ストーム (Riders On The Storm)』である筈なのに。
恐らく、きっと、ジム・モリソン (Jim Morrison) にしても、遺りのメンバー [レイ・マンザレク (Ray Manzarek : key)、ロビー・クリーガー (Robby Krieger : g)、ジョン・デンズモア (John Densmore : dr)] にしても、『ジ・エンド (The End)』 [アルバム『ハートに火をつけて (The Doors)』 [1967年発表] に収録] や『音楽が終わったら (When The Music's Over)』 [アルバム『まぼろしの世界 (Strange Days)』 [1967年発表] に収録] の様な作品にはうんざりしていた筈なのだ。

ワルキューレ (Walkure) の騎行とも、ヘルズ・エンジェルス (Hells Angels) の暴走とも、楽曲の主題は映像的な喚起力を伴って、ぼく達の耳にこだましている。
だがしかし、ぼく達はそれをよりどころにして、なにかを得る事もなにかを喪う事も拒まれている。
一切の叙情が許されていないのだ。

images
いずこともしれぬところからやってきたそのものは、いずこともしれぬところへとさってゆく。
ただ、それだけのことが、至極当たり前の出来事として、述べられているのにすぎない。
[上記掲載画像はアルバム『L.A.ウーマン (L.A. Woman)』 [1971年発表] のインナー・スリーヴ。画像はこちらから]

次回は「」。

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