2015.01.06.12.33

ぎろちんていおう

ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] は秘密結社ビッグファイア (The Gargoyle Gang) の首領にして宇宙からの侵略者 (Invadors From Outer Space)、TV番組『ジャイアントロボ (Johnny Sokko And His Flying Robot)」』 [原作:横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) 19671968Net系列放映] の登場人物である。

その容姿は、銀色に輝くラメのスーツに黒いマント、片手には身の丈もある杖をついて、つるりと青黒い頭部がある。眉間には真紅に輝くもうひとつの眼 [?] もある。
異装であり、異様な風体ではあるが、番組放映時の同時季にブラウン管 (Cathode Ray Tube) を彩った、他の特撮〜アニメ番組に登場した同種の設定の、宇宙からの侵略者 (Invadors From Outer Space) 達の、容姿を考えてみると、明らかに地味だ。
地味と謂うのは語弊があるかもしれない。
カラフルではないと謂う事も出来るし、記憶に鮮明に遺るべき具体的な表彰に欠けているのだ。

おもいつくままに列挙しよう。
原作者である横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) の好敵手 [と一方が他方を片面的に思い込んでいる節もある] 手塚治虫 (Tezuka Osamu) 原作のTV番組『マグマ大使 (The Space Giants)』[原作:手塚治虫 (Tezuka Osamu) 19661967フジテレビ系列放映] では、ゴア (Rodak) [演:大平透 (Toru Ohira)]。
太平洋戦争 (Pacific War) からの紙芝居 (Kamishibai) を原作とするアニメ番組『黄金バット (Ogon Bat)』 [原作:鈴木一郎 (Ichiro Suzuki) 19671968日本テレビ系列放映] ではナゾー (Dr. Erich Nazo) [声:島宇志夫 (Usho Shima)]。 [ナゾー (Dr. Erich Nazo) [声:島宇志夫 (Usho Shima)] は宇宙からの侵略者 (Invadors From Outer Space) ではないと、記事を書き上げた直後に気づいてしまったけれども、キャラクターの比較と謂う意味でこのまま挙げておく。]
このいずれもが、ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] と同種の、秘密結社 (Secret Society) を率い、正義の味方である主人公たちに、攻撃をしかけてくる。
ゴア (Rodak) [演:大平透 (Toru Ohira)] とナゾー (Dr. Erich Nazo) [声:島宇志夫 (Usho Shima)] と、そしてこの拙稿の主人公、ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] を見比べると、その所業や性格づけはともかくとしても、ヴィジュアル的にみれば、遥かに劣っている様に観える。否、それだけではない。前者は稀代の声優大平透 (Toru Ohira) が担当している [しかも、大平透 (Toru Ohira) 自らがその声ばかりか自らスーツアクター (Suit Actor) をかって出ている] のだし、後者は稀代の名台詞「ロンブローゾ (Lombroso)」があるのだ。
みてくれだけではない。声においてもギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] は、その存在感を示すモノがないのだ。

否、勿論、宇宙からの侵略者 (Invadors From Outer Space) は彼らばかりではない。

だが、TV番組『キャプテンウルトラ (Captain Ultra)』 [1967Tbs系列放映] に登場するバンデル星人 (Alien Banderu) や、TV番組『怪獣王子 (Monster Prince)』 [19671968フジテレビ系列放映] に登場する遊星鳥人 (Bird-like Alien) や昆虫人間 (Insect-like Alien) は、首領とその部下と謂う構造よりも、もっと組織的な集団的な抗争劇の様を呈している。物語のどこかには、その統率者が登場しないではないが、彼らとその部下達の有する容姿の差異は、ごく僅かだ。

これら2種類の物語設定はどこから来たのだろうかと謂う興味が尽きない訳ではないが、それ以上に、この2種類の構造とは、隔たったところに、『ウルトラ・シリーズ (Ultra Series)』に登場する宇宙からの侵略者達 (Invadors From Outer Space) がいる事に気付く。
いやいや、違う。
彼等もこの2種のそのいずれかなのだ。いくつかの物語設定では、この2種類にそぐわない宇宙人達 (Alien) も登場するが、大枠は変わらない。
そうではなくて、『ウルトラ・シリーズ (Ultra Series)』では、番組全体を牽引する悪の組織や悪の首領と謂う概念がないのだ。1話完結ごとに、新たな組織、新たな宇宙人 (Alien) が顕れて、悪の企みを画策するのである。
ウルトラ・シリーズ (Ultra Series)』の中でその様な物語設定が成されたのは、TV番組『ウルトラマンA (Ultraman Ace)』 [19721973Tbs系列放映] でのヤプール人 (Yapool) が嚆矢ではなかったのか。

と、当時のTV特撮番組を概括した後に、ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] の容姿に戻る。

images
改めて彼の容姿、特にその頭部に着目する [掲載画像はこちらから]。
一見、人間種 (Homo Sapiens) の老人の容姿をカリカチュア (Caricature) した風体にもみえる。
禿げた頭部、細く鋭い両眼の眼差し、皺だらけの顔、色さえ青くなければ、アジア系 (Asian) の老人の風体だ。
そおいえば、彼の配下のドクトル・オーヴァ (Doctor Over [Doctor Botanus]) [演:安藤三男 (Mitsuo Ando)] は、銀色の禿頭だ。
だけれども、ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] の顎からいくつもでている、髭の様な触手の様な、いくつもある突起をみていると、ふと想い出す。
これは、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト (H. P. Lovecraft) 創造の、クトゥルフ (Cthulhu) ではないのだろうか、と。

そんな視点を得てしまえば、そうとしか観えなくなってしまうが、実際のところ、どうなのだろう。
しかも、彼が抱える杖の形状は、ギリシア神話 (Greek Mythology) の海神ポセイドン (Poseidon) の三つ叉の鉾、トリアイナ [トライデント] (Triaina [Trident]) を思わせもする。
その点への類推 (Anarogy) から、遥かな太古より深海に潜むクトゥルフ (Cthulhu) への連想があらためてまた発動してしまう。

原作は横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) だけれども、そして、その漫画作品は小沢さとる (Satoru Ozawa) の作画で週刊少年サンデー (Weekly Shonen Sunday) で同時季に連載されていたけれども、TV番組『ジャイアントロボ (Johnny Sokko And His Flying Robot)」』 [原作:横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) 19671968Net系列放映] と謂う企画自体は、TV局主導で行われているのだ。
だから、ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] と謂うネーミングもその容姿も、実際の発案は誰なのかは、よく解らない。
勿論、当事者のその種の発言も皆無なのである。
ネット上では、似た様な議論が展開されているが、印象論ばかりで根拠がない [尤も、それは拙稿も同じだけれども]。

次回は「」。
ギロチン帝王 (Emperor Guillotine) [演:佐藤汎彦 (Hanhiko Sato)] の語尾は本来ならば「う」であるが、ここで提示した改定ルールに従えば、「お」であるのだろう。まさか、母音 (Vowel) が単独でみっつも連続するから「て」と謂う訳にもいくまい。

附記:
上で、手塚治虫 (Tezuka Osamu)横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) とを好敵手と評したけれども、その大意は、それぞれのロボット (Robot) が主人公の作品、マンガ『鉄腕アトム (Astro Boy)』[原作:手塚治虫 (Tezuka Osamu) 19511968少年連載] とマンガ『鉄人28号 (Tetsujin 28-go)』原作:横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) 19561966少年連載] を読み比べれば理解可能かと想う。つまり、自由意志を持つロボット (Robot)、アトム (Astro Boy) と操縦桿を握る操縦士の意思に従うだけの鉄人28号 (Tetsujin 28-go) との違いと謂う意味だ [こちらも参照の事]。
そして、その差異は、TV番組主導のふたつの作品、TV番組『マグマ大使 (The Space Giants)』[原作:手塚治虫 (Tezuka Osamu) 19661967フジテレビ系列放映] とTV番組『ジャイアントロボ (Johnny Sokko And His Flying Robot)」』 [原作:横山光輝 (Mitsuteru Yokoyama) 19671968Net系列放映] とにも、そのまま引き継がれている。つまり、前者に登場するマグマ大使 (Magma) は自由意志を持つ一方で、後者に登場するジャイアントロボ (Giant Robo) は草間大作 (Daisaku Kusama) [演:金子光伸 (Mitsunobu Kaneko)] の指令のみに従うのである。
ただ、にも関わらずに、それぞれの最終話では、それぞれの悪の首領が自ら巨大化し、それぞれのロボット (Robot) に肉弾戦を挑むから、面白い。
ちなみに、アニメ番組『黄金バット (Ogon Bat)』 [原作:鈴木一郎 (Ichiro Suzuki) 19671968日本テレビ系列放映] の最終話に関しては、ナゾー (Dr. Erich Nazo) [声:島宇志夫 (Usho Shima)] 自らが巨大化 / 変身して最終決戦に臨んだと謂う解釈もあるそうだ。
これはTVと謂うメディアが要請するドラマツルギーの発露と解すべきなのだろうか。
意思をもたない筈の、ジャイアントロボ (Giant Robo) が最後の最後になって、草間大作 (Daisaku Kusama) [演:金子光伸 (Mitsunobu Kaneko)] の指令に一顧だにしなかった点も踏まえて。
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